実家に電話した。
自傷行為のことを伝えた。家庭内暴力の可能性のことも伝えた。
自ら傷つけることについて「切ないな」と母が言った一言が
受話器越しではあるが、その十分な感情が伝わってきて、
本当に心配してくれているんだな、と思い、涙が出た。
アルバイトで休憩になると、みんな同じところに集まって休むようになっている。
ぼくは、そこへ行くと、吐き気がしてしまうから、
いつも、どこか別の暗いところに立ったまま寝ることにしている。
いつまで続くのだろうか。
嫌で嫌でたまらない。
どこかへ消えてしまいたい。
太ももへ十字、手には猫に引っかかれたような傷をつけた。
無意識的とも言える行為に痛みなどほとんど関係ない。
ただただ、落ち着くために、
憂鬱の嵐から抜けるために、ぼくは自分を切るんだ。
他人を傷つけないためにも。
戒めとして、自分に刻み付けるんだ。
弱い人間と思わないで欲しい。
僕は絶対に他人に手を出さないようになっているのだから。
戒めの証がぼくをいつも止めてくれるんだ。
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